ゲームセンター物語 〜神霊編〜  
この作品は実話を元にしたフィクションです。

嗚呼、ゲームセンター。

おれの住んでいる街にはゲームセンターがない。
かつてそれが存在したことはあった。しかも天下のナムコ直営店が。もしも未だにその店が続いていたならば、あの伝説のトーナメント「拳道場」とかが開催され、おれは「天帝」とかもらっちゃってたかもしれない。いや、そこまでじゃなかったとしても…

おれの住む街は霊的に呪われた土地である。かつて存在したゲームセンターは鉄拳4の時期に姿を現し、鉄拳4終焉とともにその姿を消した。 何故か。

おれの住む街は田舎である。船が下る川がありシカ害に悩む山がある。のどかなものだ。
がしかし、そういったところには往々にして「週刊少年マガジン」とかから抜け出して来たような、やたらと『!?』とか『!!』とかが宙に浮いている「アレ」がはびこるものである。


で、こういった人達はまるで自らが蛾であると信じたかの如くに夜遅くの灯りを好むものであって、24時までやってる大型書店の入り口にバイクを列ねてたいして意味もなくあたりを睥睨してみたり、11時までやってる大型デパートの駐車場付近で彼等流の「軟派」を行ってみたりする。
ちなみに「軟派」とはどういったものかというと、どこで買ってきたものか背中に「風神」とか書いたスタジアム・ジャンパーを羽織った♂と、どこから湧いて出ていらしたか”名古屋風”の♀が「ホイ、お茶でも飲みにイカマイカ」「あれいやダニ」とかいいながら「つがう前の儀式」さながらの駆け引きを繰り広げてみたりしてるみたい。
そいでもってたいして必要でない人達のもとに子宝ザクザク。大柄で丸刈り、手入れの悪いヒゲをたくわえ、サングラス(金縁)に全身赤ジャージ、の「おとうさん」と茶色い金髪風で安手の香水臭い(なぜかこちらも全身ピンクジャージ)「おかあさん」が「ジャスコ」の二階のマクドナルドとかで生まれて数カ月くらいの赤ん坊にフライドポテトとか与えてるわけよ。
こういう親に育てられた子供の行く末、など想像するのたやすいね。日本の未来暗黒ヨ。

で、(話が脱線したけど)こういった魑魅魍魎どもが24時までやってるゲームセンターにたむろしないわけがないのであって、魑魅魍魎の本来の活動時間である深夜だけでなく、平日昼間には今度は予備軍たる不良高校生、不良中学生、また各種ちんぴら、くりからもんもん等が跳梁跋扈し始め、筐体を蹴る、筐体を殴る、店員(男)を殴る、店員(女)を泣かす、店長を脅す、トイレにガムを吐いて詰まらせる、トイレットペーパーを盗む、UFOキャッチャーの景品をとる、などなどやってたのでナムコランドはついに閉店したのであった。

この作品は実話を元にしたフィクションです。






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