ゲームセンター物語 〜大震災(カタストロフィ)編〜 


しかたなしとばかりにおれは朝五時に起きて支度して、6時に電車に乗って、開店と同時に「アミューズメントパーク・エリア」になだれ込んで、当然ながらそんな早くに他に客などいないので仁八を何度も倒した。昼には駅の立ち食いそば屋で山菜蕎麦に七味を多めに振り掛けて食べてふたたびゲーセンに戻り、午後3時くらいになると少しづつ混みはじめる店内、対人戦の時間となるが、早起きし過ぎて眠くなり、投げ抜けもいまいち。下段捌き失敗。4時には帰るべく電車に乗る。という悲壮そのものの人生だぁ!
そんなことをしていたある日に午前中のCPUと戦う(しかない)時間に同好の志ヨシミツ使いのRJB(体型はボブ)をゲームセンターに呼びつけることを思い付き、おれはRJB相手に”RJB相手ではもうプレイヤーポイントが入らない”程、対戦を繰り返した。

 勝手知ったる人の手の内、都会の大学生RJB(体型はボブ)は都会で溜め込んだ勝利ポイントをみるみるうちに痩せ細らせてヨロヨロ。
 これ以上やるとRJB(体型はボブ)が鉄拳やめちゃいそうよ。などというのでこの作戦もやがて流行らなくなった。

おれは再びアーケードから姿を消し、家庭用の鉄拳5で自宅にたずね来るスティーブ使いのバーテンダーや、ジュリアを使う体育教師やら、元ペク使いの元モデル、リリ使いの乗馬騎手(女性)の使うニーナ、などと対戦していた。一度に100試合、200試合くらいやるのである日ps2が壊れた。ので買い直したら鉄拳5drはpspで出るというので「絶対買わね」などといいながら、山田電気のポイントで結局pspを買ったりしていた。

おれはマウスで鉄拳の絵を描いてみたり、熱心に仕事をしてみたり、やたらと標高の高い山に登って「澄んだ空気だなぁ」などと言ってみたり、鉄拳のイラストを地味に公開してみたりしていた 。

「或、近場的鉄拳遊技施設是在、自由自在的対戦 我捧自己是鉄拳?否的是有。(もしも近場にゲームセンターがあって、いつでも鉄拳が出来てしまう環境にあったら、おれはここまで自らを鉄拳に捧げたろうか、いやない。)」


世界は一見平和に見えた…



この作品は実話を元にしたフィクションです。










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