「今のおれたちに立場の違いはない」とかいってたブルースがカズヤの部下に落ちぶれて(?)いた時点で私にはエディが三島財閥に属し、仁のもとにつくであろうという確信があった。カズヤに相棒があるなら、仁にもそれは必要である。そしてそれはエディゴルド以外ありえない。
エディと仁はかつて互いを「アミーゴ」と呼び合い、エディの出所を祝って共に盃を酌み交わした仲間である。また、エディは平八にも「企業経営や社会福祉、投資について優れた論文を発表し、それでいて裏社会に身を置いた経験もあり、格闘術も身につけている、じつにわし好みの人材」として、三島財閥幹部候補としてスカウトされたほどの傑物である。鉄拳衆としてのオファーはなにも6になってはじめてのことではないのである。

 さて一体これはなんの話をしているのかというと「鉄拳3 ゲームブック」の話である。だいぶ前にブックオフで100円で買ったもので、みつけたときには手が震えた。
 わたくしは主人公である風間仁となって、「パンチで攻める…245へ」「キックで攻める…226へ」「ガード重視で様子を見る…158へ」とかいう選択肢に従って母の仇オーガを討つべくたくさんの格闘家達と拳を交えるのである。ときには挫折(ニーナに靱帯を切られて格闘家として再起不能とか)したり、ときには間違った方向へ(デビルに精神を侵されるとか)進んだりしながらもわたくしは4回この物語を読破した。で、この物語は異様に完成度が高いという認識に至ったのだった。
挿し絵のシャオユウがやけにブサイコだったり、故人であるカズヤがどこぞの重役風であったりといった非常に些細な問題を除けば、どのキャラクターも適当に済ますということがなく非常に丁寧に描かれている。とくにエディと仁は「肉親の敵討ち」という共通の目的故にどう転んでも親友となるべく描かれている。

「すまなかったな。やっぱり、一杯やって気が合ったやつを蹴り倒すのは気が重い。試合で闘志がにぶるのを避けるため、試合が終わるまでは友情を忘れさせてもらった。さあ、オレたちゃまたアミーゴ(友だち)だぜ!」

「その復讐、オレも協力しよう。オレはただ優勝してオーガと闘うチャンスを得ればいい。平八師匠には、エディの復讐へのバックアップを頼むことにするさ」

エディと仁、このふたりが接点を持ったのはお互い初参加の鉄拳3大会に於いてであり、また彼等は強い友情で結ばれたアミーゴ(友だち)だったのである。
鉄拳6に於ける一見主従関係であるかのごときふたりの関係は実はアミーゴ(友だち)であった。その発見だけでもこのゲームブック鉄拳3、おすすめですぞ。 _______________________________________________
重役カズヤ(故人)ゆうゆうげんきむすめ
体操着で出所、そしてバー。





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