もういつ頃からそれが恒例となったのかははたして定かではないが、毎年12/31の夜にはEDDの住む家に男達が集い、家庭用鉄拳で組み手イベントふうの催しが執り行われるという風変わりな習わしがある。
この日の為に腕を磨いてきたり、歯を磨いてきたり、カスタマイズしてきたりした猛者たちがわたくしにいたぶられるというだけのイベントであって、「マティーニを作るのが苦手なバーテンダー」や「動きはのろいが体型はボブ」やらが幾たびとなく挑んでは返り打ちにあう、というだけの奇習である。
いつの頃からかこの奇習は「煩悩潰し」、または「除夜の鐘」と呼ばれて久しい。それぞれ108試合づつEDDさんにやられるきまりであって、百八、というのが人間にあるという煩悩の数と等しいためであるとか、適当に試合数をきめておかないとキリがないためである。とも噂されている。
2006年の「煩悩潰し」は若干早めに始まったため、終わった頃にはまだ「紅白歌合戦」が昨今の例によってしめやかに営まれていたのだった。ボーイッシュな女性歌手が歌うのを見て、私は「おお!このおんなのひとは"永谷園の煮込みラーメン"のパッケージのイラストにそっくりだな!」と言った。大敗を喫し、意気消沈した男達は誰ひとりとして声に出してつっこんだりはしなかったが、心の中で思った。「そりゃ和田アキ子だからさ」
そのあとみんなでわたくしのこの世で一番好きな番組「ゆく年くる年」をみて歓声をあげながら「二年参り」に赴くべく支度などして、「ゆく年くる年」をビデオ録画して、寒い中徒歩でお寺をお参りしてお神酒をきこしめす、というのがわたくしの正しい大晦日の過ごし方である。
もう12月、もうすぐ今年も終わりですね。 _______________________________________________





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